totochn’s diary

ひとり旅のこと レザークラフトのこと・・・

蹴上駅から南禅寺/琵琶湖疏水を辿って

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こんにちは!totoです。

京都お寺巡りのきっかけ

以前にも書きましたが、私が京都お寺巡りをするようになったきっかけは、望月麻衣原作のミステリー小説『京都寺町三条のホームズ』の影響です。

聖地巡礼とはちょっと違うな?
本の内容も面白いですが、本の舞台になった場所だから行きたいと思ったのではなく、原作者が登場人物の会話の中で、京都の要所要所に対する事細かな説明が好きなのです。


あぁ、ここに行きたい!

と、初めて行ったのが南禅寺(三門)です。
そして、その時知ったのが、南禅寺境内を通る水路閣。
そのノスタルジックな雰囲気が好きで再訪しました。

前回は、京都駅からバスで直行しましたが、今回は本で読んだ記憶を頼りに同じルート、蹴上駅から歩いてみました。


※ブログ内の本は望月麻衣原作のミステリー小説『京都寺町三条のホームズ』を指します。

それでは蹴上駅から。

地下鉄 蹴上駅

蹴上駅は東山駅からひと駅です。歩いても15分くらいなので、のんびり歩くことにします。

蹴上駅に着くと道路の向こう側にトンネルが見えます。

このトンネルに向かいます。

(道路の向こう側に行くには一度駅に降りて①番出口から出るのが一番早いです。)


ねじりまんぽ



「ねじりまんぽ」って珍しい名前ですよね?
一度聞くと忘れない名前でもあります。

「ねじりまんぽ」はトンネルのことです。上にはインクラインが走っています。
(インクラインは後ほど)

台に載った船が行き交うインクラインの重さに耐えられるようにレンガを螺旋状に、ねじったように積み上げてあります。

そして、トンネルはインクラインと直角ではなく斜めに掘られています。これも強度を増すためのようです。



内側のレンガが渦を巻いているよう。。。


「まんぽ」は、方言でトンネルを意味します。

ねじったまんぽで「ねじりまんぽ」

由来が分かると名前にも納得です。

ちなみに西口トンネル上方ににある

雄観奇想(ゆうかんきそう)
雄観奇想(ゆうかんきそう)

『雄観奇想(ゆうかんきそう)』 
みごとなながめと優れた考えであると言う意味。

東口トンネルには
『陽気発処(ようきはっするところ)』 
精神を集中して物事に挑めば何事でも成し遂げられると言う意味の扁額があります。

これは第3代京都府知事、北垣国道がトンネルの完成を祝い揮毫したものです。

このような形状のトンネルは施工例が少なく、とても貴重なもののようです。

明治時代に造られたものが今もなお利用されている。土木技術の高さを感じます。

琵琶湖疏水工事の主任技師であり設計を担った田邉朔郎氏の像は、疎水公園内で観ることができます。

主任技師として内定を受けた当時はまだ学生、21歳!

この計画を見事に完成させた田邉朔郎にも敬服しますが、日本人の手による工事に拘り、当時学生だった田邉朔郎を内定し採用した、第3代京都府知事・北垣国道の審美眼に敬服します!相当な勇気とプレッシャーがあったことでしょう。
北垣国道の偉大さが窺えます。



トンネルを抜け、すぐ右の坂を上がって行くと疎水公園からインクラインに降りられます。

蹴上インクライン

インクラインとは 斜面にレールを敷き、動力で台車を走らせて船舶や荷物などを運ぶ装置の事です。


蹴上インクライン
蹴上インクライン

蹴上インクラインは、全長582mの世界最長の傾斜鉄道跡で、高低差約36メートルの琵琶湖疏水の急斜面で、船を運航するために敷設された傾斜鉄道の跡地です。
 
1891(明治24)から運航し、舟運の衰退とともに1948(昭和23)年に役割を終え、現在はその廃線跡は京都市の文化財に指定されています。

桜の名所として有名です。

桜の見頃の時期は混雑必至ですが、それ以外は人も少なくゆっくり眺められます。

レールだけでも見応えありませんか?




左手には疎水公園。ベンチもあります。

蹴上インクライン
蹴上インクライン横にはベンチもあります

↓ 満開の桜のインクラインはこちらで観ることができます。
www.google.com



「ねじりまんぽ」まで戻り案内に従って南禅寺に向かいます。

南禅寺

水路閣

南禅寺境内には琵琶湖疏水が通っています。

まずは今回の目的地、水路閣へ。


上の写真○印から入り
矢印の先が水路閣です。

こちらも田辺朔郎が設計、デザインしたものです。
琵琶湖疏水の分線(蹴上以北)にある水路橋で1888年(明治21)完成。
南禅寺境内を通過するため、周辺の景観に配慮されています。
全長93.2メートル(幅4メートル、高9メートル)レンガ、花崗岩造り、アーチ型橋脚の風格ある構造物で、静かな東山の風景に溶け込みレンガ造りがノスタルジックな雰囲気を醸し出しています。市指定史跡。

ちなみに水路閣の上はこんな感じ。

下から眺める方が雰囲気ありますね!

南禅寺三門

南禅寺三門と言えば、歌舞伎で石川五右衛門の「絶景かな、絶景かな~!」のセリフで有名です。

楼門五三桐 - Wikipedia



これは歌舞伎の演目『楼門五三桐(さんもんごさんのきり)』で、実際には建物が後から建て替えられています。


(これも本で知りました。)


歌舞伎『楼門五三桐』の「南禅寺山門の場」(通称:『山門』)で、煙管片手に「絶景かな、絶景かな。春の宵は値千両とは、小せえ、小せえ。この五右衛門の目からは、値万両、万々両……」と名科白を廻し、辞世の歌といわれている「石川や 浜の真砂は 尽きるとも 世に盗人の 種は尽きまじ」を真柴久吉(豊臣秀吉がモデル)と掛け科白で廻して山門の上下で「天地の見得」を切るのが有名。ただし実際の南禅寺三門は文安4年(1447年)に焼失、再建は五右衛門の死後30年以上経った寛永5年(1628年)であるため、五右衛門の存命中には存在していない。この作品で五右衛門は明国高官宋蘇卿(実在の貿易家宋素卿のもじり)の遺児という設定となっている。この場面の、金襴褞袍(きんらんどてら)に大百日鬘(だいひゃくにちかつら)という五右衛門の出で立ちは広く普及し、これが今日では一般的な五右衛門像となっている。

ウィキペディア(Wikipedia)より








*三門 山門とも言いますが基本的には三門です。ブログ内では統一して三門とします。








今回は写真を撮るだけにとどめましたが、歴史的建造物を内側から観賞、そして京都の街並みを眺めるのもいいもんです。






三門
拝観料

一 般   600円


高校生  500円


小中学生   400円

拝観の際は、狭くて急な階段を靴を脱いで上がります。ご注意下さい。




ここで琵琶湖疏水に付いて少し。

琵琶湖疏水

今回意図的では無かったのですが、結果として琵琶湖疏水の一部を巡ったことになります。

琵琶湖疏水(びわこ そすい)とは、琵琶湖の湖水を京都市へ流すため、明治時代に作られた水路(疏水)です。国の史跡に指定されています。





明治14(1881)年に第3代京都府知事に就任した北垣国道は、幕末の戦災と明治維新による事実上の東京遷都により衰退した京都を復興させるため、琵琶湖から引いた疏水の水力で新しい工場を興し、舟で物資の行き来を盛んにしようと計画しました。





琵琶湖疏水の着工は1885(明治18)年。当時の土木建設の常識を大きく超え、なんと京都府の年間予算の約2倍という巨額の費用と約5年という歳月を費やし、さらに最新の技術を投入して造られました。


完成した琵琶湖疏水は、水運に加え、上水道、灌漑(かんがい)、そして日本初の事業用水力発電などに活用され、京都の近代化に大きく貢献しています。

終わりに

今回、本の登場人物とほぼ同じルートを辿ってみました。


後になって気付きましたが、琵琶湖疏水に関連したルートを辿っていたんだな?と。





そしておすすめのルートでもあります。



琵琶湖疏水ってどんなだろう?ねじりまんぽは?水路閣は?と、調べて行くうちに、より京都に親しみを感じ、第3代京都府知事・北垣国道、田邉朔郎は本当に偉業を成し遂げたんだと改めて敬服しました。





一冊の本がきっかけで観光にも幅が広がり、それにまつわる歴史にも興味が出ました。



『京都寺町三条のホームズ』おすすめです。



興味のある方は是非読んでみて下さいね?





では。
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